2012/01/20

小笠原丸

 
 終戦直後の1945年8月22日、旧逓信省の海底ケーブル敷設船、小笠原丸が、樺太からの引揚者を稚内に運ぶ途中、国籍不明の潜水艦の攻撃を受け、沈没。660人が犠牲となった。
それから65年後の一昨年秋、取り壊し中の民家から小笠原丸の遺留品が偶然見つかる。発見者は、その遺留品が本物か悩み、昨年秋に、増毛町役場に相談。役場が議員を通じて、現在、海底ケーブル敷設を担うNTTワールドエンジニアリングマリンおよびNTT持株会社に、遺留品の調査を依頼した結果、本物と判明。
 そして、1月20日、増毛町からNTTワールドエンジニアリングマリンに慰留品が授与された次第。授与式の後には、同町にある慰霊碑へ。


 雪に埋もれる墓地にある慰霊碑。この時期には、地元の人も来ないというが、町がわざわざ慰霊碑の鍵を開けてくださった。御霊にお参りしたが、未だ身元が分からない遺骨が20体、この悲劇を後世まで伝え続け平和を実現することが唯一の供養だろう。


 さて、冬の日本海は、この季節にしては珍しく穏やかだが、やはり寒い。雪靴もなく、雪深い墓地を歩くのは、無謀と言っていいだろう。